補聴器のメリットと現状

補聴器は言葉や会話が聞き取りにくくなった時に聞こえを補うための機器であることを漠然と知っていても、どの程度聞きづらくなったら使うのか、そもそも着用は必要なのか、など判断に迷っている方も多いのではないでしょうか? 

補聴器による様々なメリットや、日本や世界の補聴器の現状をご紹介します。

1.補聴器のメリット
  ・補聴器をつかうタイミングは?
  ・使ってよかった!補聴器のメリットとは?
2.補聴器の現状

補聴器を使うタイミングは?

日常生活で聞こえに不自由さを感じられた時が補聴器検討の目安です。

「最近会話が聞きとりにくい」、「聞き返しが多くなった」、「テレビや電話の音量を上げる必要がある」、「家族や友人から“聞こえが悪くない?”と言われるようになった」

このような聞こえの変化の自覚や、ご家族や友人など周りの人からの指摘を受けたら補聴器の使用を検討してみてください。

まずは、自分の聞こえの状態をチェックしてみましょう

□会話をしているときに聞き返す
□後ろから呼びかけられると気づかないことがある
□聞き間違えが多い
□話し声が大きいと言われる
□見えないところからの車の接近にまったく気づかないことがある
□電子レンジなどの電子音が聞こえない
□耳鳴りがある

1-2個   実生活でお困りのことがあれば耳鼻咽喉科を受診しましょう。
3-4個  耳鼻咽喉科で相談してみましょう。
5個以上   早めに耳鼻咽喉科を受診することをおすすめします。

参照:一般社団法人日本補聴器販売会協会

使ってよかった!補聴器のメリットとは?

■全補聴器使用者の半数以上が「もっと早く利用すべきだった」

一般社団法人日本補聴器工業会が補聴器や難聴について大規模調査を行った結果、上記のグラフが示すように、半数以上の補聴器使用者の方が「もっと早く補聴器を使用すべきだった」と感じており、その多くの理由は「より快適な社会生活」「安定した精神状態」をあげています。

補聴器所有者が難聴に気づいてから補聴器を購入するまでにかかる年数も、2018年の平均4~5年から、2022年の平均2~3年へと短くなっています。

■補聴器使用者の77%が「街中を安心して歩けるようになった」

あなたは補聴器を使用してから街に出かけることに自信を持つようになりましたか?
例えば、信号機の音が聞こえたり、車が近づいてくるのがわかるようになった、など

77%の補聴器使用者が補聴器を使用し始めてから「街に出かけることに自信をもつようになった」と感じています。

■仕事上の優位性

補聴器所有用者のうち実に90%が、補聴器が「仕事上で役立っている」と感じています。
また、左上のグラフの通り、難聴者にとって「出世・適切な仕事・高い報酬」を得るために役立っていると認識しています。

補聴器使用者・非使用者と収入の関係

2007年に行われたアメリカのベター・ヒアリング・インスティテュート(BHI:聴覚専門の非営利機関)の調査結果によると、補聴器の使用有無により収入に大きな差が生じるという調査結果もあります。


参照:Better Hearing Institute 2007
The Impact of Untreated Hearing Loss on Household Income

 難聴が認知症の危険因子に

難聴が認知症に及ぼす影響について、最近色々なメディアで聞かれるようになってきました。

2020年、世界的権威の医学誌ランセットが発表したレポートの中で、認知症の要因として「高血圧」「肥満」「糖尿病」「飲酒」などとともに「難聴」があげられました。
難聴になると、会話がしづらくなることからコミュニケーションが減り、社会的孤立のリスクが高まります。そのため、耳が聞こえにくいと感じたら、医療機関にご相談ください。

補聴器をご利用のお客様の声

補聴器の現状

■国内の補聴器出荷台数はどうなっているの?

さて、日本国内で補聴器はどれくらい売れているのでしょうか?

補聴器メーカーが加盟している一般社団法人日本補聴器工業会が毎年集計して発表しています。

統計が始まった1990年と2023年を比較すると出荷台数は約2倍に増えています。

出荷台数は年々増加していますが、補聴器が必要な人すべてに届いているのでしょうか?


■国内・海外の難聴者数

一般社団法人日本補聴器工業会が行った調査によると、2022年の時点で自分が難聴、または、おそらく難聴だと思っている人は全体の約10%(約1,240万人)と発表されました。
 この数字は自己申告によるものなので、実際の難聴者はさらに多いと予想されますが、デンマーク(10.9%)、ドイツ (11.1%)、フランス (9.7%) など他国と比べても大きな差はありません。
しかし、難聴者への補聴器普及率となると下記の表のとおり日本は15%と他国と比べて著しく低いのが現状です。

上記理由として、文化的要因、補聴器供給体制、国や自治体による助成制度など、さまざまな理由が考えられます。近年日本でも各市町村単位の補聴器の助成金制度が増えてきています。今後補聴器を必要とされる方に適切な補聴器が普及するよう、ブルームは専門店として正しい補聴器普及に取り組んでいきます。

■補聴器のトレンド

以前は空気電池式の耳にかけるタイプが主流でしたが、最近では充電タイプも普及しさまざまな形の補聴器が出ています。 
ブルートゥース対応補聴器も登場し、聞こえを補うだけでなく音楽やゲームを楽しんでいる方も増えてきています。   

補聴器専門店ブルームでも以前と比べて 半数以上の方が充電式補聴器をお選びいただいています。

■よいお店の選び方ー認定補聴器専門店・認定補聴器技能者について

管理医療機器である補聴器を、安全で効果的に販売と使用を促進するために、公益財団法人テクノエイド協会が定める「認定補聴器専門店」と「認定補聴器技能者」という認定制度があります。
 
「認定補聴器専門店」とは
認定補聴器技能者が在籍し、補聴器の調整や選定に必要な機器や設備について公益財団法人テクノエイド協会の審査基準をクリアしたお店だけに与えられる資格で5年ごとに更新審査を受けることが義務付けられています。
*全国に977店舗(2024年4月現在)

「認定補聴器技能者」とは
補聴器の専門職の資格制度のことで、一定水準以上の知識と技能を有し、公益財団法人テクノエイド協会の資格試験に合格する必要があり、5年ごとに更新審査を受けることが義務付けられています。
*全国に4,836名(2024年4月現在)
  
補聴器専門店ブルームでも、95の 「認定補聴器専門店」、 263名の「認定補聴器技能者」を有しています。(2024年4月現在)