聞こえにくさを感じていても、すぐに受け入れるのは簡単ではありません。理由はさまざまです。
たとえば、「年齢のせいだから仕方がない」と考えて、あまり気にしない方もいます。
また、補聴器に対して「目立つのではないか」「使いにくそう」といった偏見(stigma)があり、前向きに考えにくい場合もあります。
さらに、仕事や人間関係への影響を心配して、「周囲からどう見られるか」を気にする方も少なくありません。
このように、聞こえにくさは気持ちの面にも関わるため、「まだ大丈夫」と思ってしまったり、対応を後回しにしてしまうことがあります。

A: 難聴にまつわる偏見の多くは、「加齢」や「障害」といった古い固定観念から生まれています。
そのため、周囲の人に相談することに対して、「老けて見られるのではないか」「周囲から浮いてしまうのでは」と不安に感じる方もいます。
また、「特別な配慮が必要と思われるのでは」「会話から外される」「能力が低いと思われる」といった心配から、聞こえにくさを人に伝えにくくなることもあります。
こうした不安は、気持ちの面にも影響し、自信をなくしてしまう原因になることがありますが、難聴に対する理解が不十分であるために、本人の自己認識にも影響し、自信を損なうこともあります。
大切なのは、こうした気持ちを否定せず、安心して話せる環境と、わかりやすい情報を少しずつ伝えていくことです。
無理のないサポートがあれば、その人に合った形で、前向きに一歩を踏み出すきっかけにつながります。
A: きこえの変化に向き合う準備ができていない人を支えるには、無理に進めるのではなく、相手の気持ちに寄り添うことが大切です。
まずは、共感することから始めましょう。
たとえば、「にぎやかな場所だと、少し聞き取りにくそうに見えることがあるけど、困っていることはない?」といった声かけが効果的です。
聞き間違いをその都度指摘するのは避けたほうがよいでしょう。相手が心を閉ざしてしまうことがあるためです。
その代わりに、「難聴は誰にでも起きること」、「日常生活を楽にする解決策もあること」を、さりげなく伝えていくことが大切です。
また、難聴に関する情報を共有する場合も、「押しつけ」ではなく「知識や興味の共有」として伝えると、相手も受け取りやすくなります。
そして何より大切なのは、本人の気持ちを尊重することです。受け入れるための「時間」を与えることです。焦らず見守りながら寄り添うことが、大きな支えにつながります。

A: 難聴を受け入れることが難しい背景には、さまざまな心理的な要因が関係しています。
たとえば、これまでとの変化に対する不安や、自分らしさや自立した生活が変わってしまうのではないかという心配があります。
また、周囲からの評価や接し方が変わるのではないか、 「自分の能力を疑われるのではないか」と感じる方もいます。
さらに、これまで通りにできないことが増えるのではないかと感じ、不安を抱くこともあります。
難聴をを受け入れることは、単なる身体面の変化だけでなく、精神面でも大きな変化と向き合うことを意味します。