当社社員である小林優太選手が日本代表&キャプテンとしてハンドボール競技に出場していることもあり、社員みんなで応援に行きました。仲間の勇姿を現地で見られるのは、本当に貴重な経験でした。
「デフリンピックの会場だから、静かで、手話や手振りで応援するのかな?」
そんなイメージを勝手に描きながら足を運んだのですが、その予想はいい意味で裏切られました。
ハンドボールの会場内にはアップテンポの音楽が流れ、MCが全体を盛り上げ、選手たちの登場に観客も声を出して声援しています。
はじめは「声を出していいのかな…?」と戸惑っていた私も、試合が白熱するにつれて、気づけば声を出し、手を叩いて応援していました。
選手たちの見事なプレーに思わず息をのみ、惜しい場面に「がんばれ!」と声が漏れる…
私だけでなく、会場が一体となり選手を後押ししていました。
周りを見渡すと、補聴器をつけている人、手話で会話する人、そして、聞こえる人―
誰が聞こえるか、聞こえないかなんて関係なく、応援の気持ちだけがありました。
選手たちは音としては聞こえていないのかもしれません。
それでも、会場全体に広がる熱や一体感は確実に届いているように感じました。
「聞こえる人」「聞こえない人」と区別する必要なんて、本当はないのだと思いました。
バリアを勝手につくっていたのは、むしろ自分の方だったのかもしれません。
応援の形は人それぞれ。
声でも、手話でも、拍手でも、ダンスでも(笑)
気持ちは、必ず選手に届いている。
そう感じられた時間でした。
もうひとつ驚いたのは、「デフリンピックの広がり」です。
2〜3年前の調査では、日本でのデフリンピック認知度はわずか10%ほどとされ、観戦者は10万人程度と想定されていたそうです。ところが今回の大会後の発表によると、観戦者数はなんと28万人!
ハンドボール会場も入場制限がかかるほどの人気でした。
実際に会場を訪れた多くの人たちが、この熱や感動を自分の体験として持ち帰り、聞こえる・聞こえないに関わらず、家族や友人、周りの人へと語り継いでいくはずです。
「デフリンピックを知らなかった」人が、「行ってよかった」「また応援したい」に変わる。
その積み重ねが、「聞こえる・聞こえない」という境界がない世界に近づいていくのかもしれないと感じました。
日ごろ、きこえの仕事に携わる一人として、こうした光景に触れられたことが本当に心に沁みました。
東京2025デフリンピックは11月26日に閉会式を迎え、終了いたしました。
当社社員・小林優太がキャプテンとして出場、そして当社がオフィシャルスポンサーとなったデフハンドボール男子日本代表チームは、目標としていた1勝を達成!
素晴らしい世界を見せていただきました。チームのみなさんありがとうございました、そしてお疲れさまでした!