片耳難聴とは、片方の耳だけに起こる難聴のことをいいます。
もう一方の耳が聞こえるため「軽い難聴」と思われがちですが、実際には日常生活に大きな影響を与えることがあります。
「自分は難聴かもしれない」と感じても、どこから始めればよいか分からない方も多いでしょう。
そのような場合は、まず聴力検査を受けることが最初のステップとして最適です。 ただし、難聴が突然起こった場合は注意が必要です。突発性難聴の可能性があり、早急な治療が求められますので、できるだけ早く耳鼻科医にご相談ください。
片方の耳が聞こえにくくても、もう片方がよく聞こえていると「まだ大丈夫」と思い、受診やケアを先延ばしにしてしまう方も少なくありません。
しかし、私たちに耳が二つあるのには大切な理由があります。見た目のためだけではなく、両耳が協力し合うことで、より自然でクリアな音を作り出しているのです。
両耳で聞くことによって、音の方向を正確に判断できるようになり、周囲の状況を把握しやすくなります。これは、安全に生活する上でも、とても大きな役割を果たしています。
片側難聴があると、障害のある側から話しかけられた声が聞き取りにくくなることがあります。そのため、相手に「聞こえやすい方の耳に向かって話してほしい」とお願いすることも少なくありません。
また、音の方向を判断することが難しくなり、「どこから音がしているのか分かりにくい」と感じることもあります。
片側難聴にみられる一般的な症状のひとつに、平衡感覚の乱れがあります。これにより、めまいやふらつきを感じ、まっすぐ歩くことやバランスを保つことが難しくなることがあります。
これは、耳が「聞こえ」だけでなく、体のバランスを保つためにも大切な役割を果たしているために起こるものです。
コンサートの大音量やイヤホンでの強い音楽、また工事や建設現場などの大きな騒音に長時間さらされると、少しずつ聴力に負担をかけ、将来的に聞こえを損なう可能性があります。
リスクを減らすためには、大きな音の環境にいる時間をできるだけ短くすること、そして必要に応じて耳栓などの耳を守る道具を使うことが大切です。
片耳の難聴は、その原因によって最適な治療法が異なります。 たとえば、耳垢がたまって聞こえにくくなっている場合には、専門家が耳垢を取り除くことで聴力を回復できることがあります。
また、ウイルスや細菌による感染が原因であれば、抗ウイルス薬・抗生物質・ステロイドなどで治療を行うことがあります。
一方で、片耳の難聴が永久的に改善できない場合もあります。その場合には、まずは一度、 耳鼻咽喉科の先生にご相談ください。