日本人の約4人に1人が慢性的な耳鳴りに悩んでいると言われており、特に高齢者ではその割合が高くなります。また、難聴のある方のうち、およそ30〜40%が耳鳴りの症状を併せ持っているというデータもあります。
一時的な耳鳴りは、例えば大音量のライブやコンサートの後などに起こることがありますが、加齢による難聴や突発性難聴などが原因の場合、耳鳴りが長期間続くケースも少なくありません。
実際には周囲で音がしていないのに、「キーン」「ジー」といった高音の雑音が聞こえたり、耳が詰まったような感覚、さらにはめまいを伴うこともあります。
最近では、耳鳴りの軽減をサポートする補聴器や、耳鳴り対策に特化した補聴器機能も登場しており、適切な対応によって日常生活のストレスを大きく軽減できる可能性があります。
耳鳴りは「耳」ではなく「脳」で起きている
耳鳴りの大きな要因は、耳から脳へ音を伝える「聴覚路」の障害です。 この障害によって、音の信号が脳の聴覚野(音を感じる部分)に届きにくくなると、脳の働き方が変化し、耳鳴りが生じます。 つまり、耳鳴りは耳の障害をきっかけにして、脳の中で起こっている現象なのです。
実は「耳鳴り」は誰にでもある
完全な静寂の中では、実は誰でも耳鳴りを感じていると言われています。 普段はとても小さな音なので、生活の中で周囲の音にかき消され、ほとんど気づきません。 しかし、聴覚路に障害があると脳の働きが変化し、今まで気づかなかった小さな耳鳴りが強くなり、自覚できる耳鳴りとして現れてくるのです。
参照:「脳を変えて、耳鳴りを治療する」by WIDEX