難聴は、時間の経過とともに少しずつ進行したり、外傷のあとに起こることが多いですが、突然、理由もなく聴力が低下することがあります。これを「突発性難聴(感音性突発性難聴:SSHL)」と呼びます。
突発性難聴は、多くの場合、早期に適切な対応をすれば改善が期待できます。発症からできるだけ早く治療を始めることで、聴力の一部、あるいはすべてを回復できる可能性が高まります。
説明のつかない急激な聴力低下を感じたときは、すぐに耳鼻科医にご相談ください。
起床直後や、特に聞こえにくい側の耳を使おうとしたときに、聴力の変化に気づくこともあります。
突発性難聴は、急な聴力低下に加えて、さまざまな症状を伴うことがあります。たとえば、発症前に耳の中で「ポン」と音がしたり、耳が詰まったように感じたり、耳鳴りやめまいが生じたりすることがあります。これらは突発性難聴の明らかなサインです。
多くの場合、突発性難聴は片側、つまり片耳だけに起こります。
突然の難聴は、とても不安を感じる出来事ですが、なかには予防できるケースもあります。
主な原因とされる 内耳の損傷 や 血流の障害(循環障害) は、次のような方法でリスクを減らすことができます。
コンサートの大音量やイヤホンでの強い音楽、また工事や建設現場などの大きな騒音に長時間さらされると、少しずつ聴力に負担をかけ、将来的に聞こえを損なう可能性があります。
リスクを減らすためには、大きな音の環境にいる時間をできるだけ短くすること、そして必要に応じて耳栓などの耳を守る道具を使うことが大切です。
突発性難聴の原因は多くの場合はっきりせず、治療が難しいこともあります。一般的には、炎症を抑え病状を改善するために コルチコステロイド が処方されることが多いです。
また、感染が原因と分かった場合には、抗ウイルス薬 や 抗生物質 が有効となることもあります。
さらに、専門家や医師が、原因となっている可能性のある薬の見直しや中止を提案する場合もあります。 突発性難聴の原因や治療法は人によって異なるため、具体的な対応は一人ひとりに合わせたプロセスとなります。